特集コラム

Column 8 吉祥寺を生きる人

吉祥寺を生きる人
2013/10/17

感動を呼ぶ空間づくりの牽引役として

野口満理子

故野口伊織氏の事業を引き継ぎ、吉祥寺で飲食店を展開する株式会社麦の代表取締役。アナウンサーとしての経験を生かし、吉祥寺音楽祭の企画、司会など、街のイベントにも積極的に関わっている。

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名店を受け継ぐ決意

アニメ、ロック、ジャズ・・・吉祥寺は常にサブカルチャーの先陣を切ってきた。中でも、「ファンキー」「サムタイム」「西洋乞食」「赤毛とそばかす」など、ジャズ喫茶の名店を生み出してきたのが今や吉祥寺伝説の主、故野口伊織さんである。

「私が20代の頃、友人を介して伊織さんに初めて会った時、一回りも年下の自分に対して、少しも偉ぶることなく、むしろ好奇心旺盛にいろいろなことを聞いてくる。世の中にはこんな大人もいるんだと驚いたものです」。夫人の野口満理子さんはそう振り返る。

平成13年伊織さんが脳腫瘍で余命1年の宣告を受けた時、それまで経営には関与していなかった満理子さんはある決意をした。

「どんなことが起こってもこれ以上の苦しみはない。だから、伊織さんの思いを受け継いでいこう」

街の中の変わらない居場所

今やこの街にも全国展開のチェーン店が増え、かつての吉祥寺らしさがなくなりつつあると言われる。伊織さんが健在であれば、この現象をどうとらえただろうか。

「どこの街でも駅周辺にはチェーン店が増えているのは同じですが、吉祥寺には、乾物屋さん、羊羹屋さん、お肉屋さんなど、もう何年も変わらないで頑張っているお店も数多くあります。それに、駅から少し離れた路地裏や小さなスペースに若い方を中心とした、魅力的な雑貨店や飲食店が開かれています。私は毎日吉祥寺を歩いていますが、必ず新しい発見があります。若い人だけではなく、とてもおしゃれで個性的なシニアに出会うことも多い。いろいろな要素が混在する多様性が、この街の底力なのではないでしょうか」と満理子さんは語る。

取材場所は「サムタイム」の昼下がり。ランチ客が引き、シニアを中心とした来店者は、原稿を書いたり、本を読んだり、外の喧騒をよそに、思い思いの時間を過ごしている。

「経営的に考えれば夜の営業だけにした方が効率的かもしれませんが、もう何年も変わらない店が街の中にあって、ふらっと寄れる。そんな場所はやっぱり貴重ではないかと・・・・・・」

そうそう、あの席で友達と飲んだな。おまけに、フランス語を学んでいた友人が「吉祥寺に『ソメティメ』というおしゃれな店がオープンした」と興奮して言ったのをいつも思い出す。

■ 野口伊織記念館
http://www.iori-n.com/

文・取材 / 吉マムかよ
ワッショイ吉祥寺

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